オンラインイベントを開催する場合、課題となりがちなのは参加者の「集客」。全く新しい参加者をWeb広告で募るなら、誰もが真っ先に思いつく検索連動型広告ではなく、Faceboo広告が有効です。集客効果を最大化するための配信手法や、広告クリエイティブづくりにコツはあるのでしょうか。
オンラインイベントの集客に“あの広告”は向かない?
新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、従来の展示会やオフラインセミナーによるリード獲得施策が、オンラインのイベントやセミナーに置き換わるケースが増えてきています。一方で、オンラインイベントは初の試みで、どのように開催、運営すればよいのか悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。
なかでもオンラインイベントの「集客」は、主催者、担当者の頭を悩ませる最大の課題かもしれません。初めてのオンラインイベント開催であれば、当然過去の経験やノウハウはありませんし、そもそもオンラインイベントならではの、“集客しづらさ”があるからです。
Webやデジタルマーケティングで「集客」という場合、多くのビジネスパーソンがGoogleやYahoo!のリスティング(検索連動型)広告を、頭に思い浮かべるのではないでしょうか。リスティング広告は、何か知りたいことを調べている検索ユーザーが対象で、ニーズも顕在化しているので成果が上がりやすく、低コストで実施できるため、ある意味“鉄板の集客施策”と言えます。
ですが、オンラインイベントの集客で利用しようとすると、事情が変わります。リスティング広告は「検索連動型」という通り、一定の検索ボリュームがないと広告の表示すらされません。いくら魅力的なオンラインイベントを企画できたとしても、いきなりユーザーが検索してくれるわけではないため、広告表示(インプレッション)自体、かなり限定的になるのです。
仮に「商材 オンラインセミナー」「企画テーマ オンラインセミナー」のような、ダイレクトにイベント名で検索する指名検索以外のキーワードで出稿したとしても、やはりそれほど検索ボリュームは見込めないでしょう。そのため、オンラインイベントでリスティング広告を出稿しても、あまり予算が消化されなかったり、参加申し込み数も伸びないというのが実情なのです。
つまり、オンラインイベントの集客において、“ユーザーが動いてくれるのを待つ施策”は向いていません。集客期間は長くても1~2カ月程度と、短期決戦ということもあり、プッシュ型のWeb広告が不可欠でしょう。参加してもらいたいユーザー一人ひとりに、主催者側から情報を届けにいくことが大切なのです。
オンラインイベント集客はFacebook広告から始める
こちらから情報を届けるプッシュ型のWeb広告のなかでも、オンラインイベントの集客で成果が出やすいのは、Facebook広告です。ユーザーとしてスマートフォンでFaceookを開くと、自分のタイムライン上に友人の投稿などと一緒に表示されるので、皆さんもご覧になったことがあると思います。
Facebook広告は、原則実名の紐づいたユーザーに対して、ログイン連携しているサイトやアプリ内の行動データを用いて、広告の配信が行えます。そのため、オンラインイベントに参加してもらいたいユーザーに絞り込んで広告を届けられ、高い費用対効果で集客できる傾向があります。
実際に集客支援をしたオンラインイベントでは、集客目標の半数をFacebook広告経由で集客しました。集客一人当たりにかかったコストも、Yahoo!ディスプレイ広告の約半分、Googleディスプレイ広告では約1/4、そしてリスティング広告の約1/14と、同じ運用型広告と比べても圧倒的に良いコストパフォーマンスを示しました。
中でも効果の高かったFacebook広告の配信手法は、「類似オーディエンスターゲティング」です。自社が保有するカスタマーリスト(メールアドレス)をFacebook広告のアカウントと紐づけると、そのリストに近い属性や興味関心のユーザーに広告を配信できます。過去に商品やサービスに問い合わせたり、購入をしてくれた自社のカスタマーと“似たユーザー”に対象を絞って広告を配信できるため、高い集客効果が期待できるのです。
先述のオンラインイベントのケースでは、興味や属性情報に基づいて配信したFacebook広告のコンバージョン率(セミナーへの申し込み率)が5~10%だったのに対し、「類似オーディエンスターゲティング」では15%~20%と、獲得効率に2倍近くの差が出ました。高いターゲティング精度により、オンラインイベント集客で成果を出しやすいFacebook広告ですが、自社が保有するデータを活用することで、さらに集客効果を高められます。
「クリエイティブ力」が集客成功のカギを握っている
Facebook広告の集客効果を高めるには、配信設定の他に、バナーや説明文など広告クリエイティブも重要なファクターとなります。参加してほしいユーザーに対して、高い精度で広告を届けられても、バナーなどのクリエイティブを見て、オンラインイベントに興味をもってもらえなければ、当然集客にはつながりません。
Facebook広告は、FacebookやInstagramのユーザー投稿の中に表示されます。そのため、広告クリエイティブは、ユーザーの目に触れる一瞬でイベントの魅力を伝え、「おもしろそう」「役に立ちそう」と思ってもらえなければ、クリックしてもらえません。
そこで、ユーザーが最初に目にするバナーでは、オンラインイベントのテーマやメッセージを、短い言葉(コピー)で表現し、端的に情報を伝える必要があります。誰もが知る著名な方が登壇するイベントであれば、顔写真を大きく載せることも、イベントの魅力を端的にアピールすることにつながるでしょう。
「集客しやすさ」という観点で言うと、“世の中の気分”や参加対象の方が抱える課題をテーマにして、オンラインイベントを企画すると、自ずと広告クリエイティブが作りやすくなります。広告バナーに掲載するコピーも、世の中の気分やトレンドを切り口にしたり、課題解決につがることを示唆することで、ユーザーの反応が良くなるからです。
広告クリエイティブで集客効果を高めるため、バナー画像でオンラインイベントの興味を惹くのはもちろん、参加の検討にあたり必要な情報を併せて提供することで、クリックの後押しになるでしょう。ですから、説明文や広告見出しに、イベントの開催日や有料なのか無料なのかなどの判断に影響のある情報を記載しておくべきです。悪い例を挙げると、それがそもそもオンラインイベントなのかどうかわからない広告クリエイティブも散見されます。
左は、クラウドサービスを多数展開する企業が主催のオンラインカンファレンスで作成した、Facebook広告のクリエイティブです。スマートフォンでの表示がメインになることを考慮して、バナー内に文字を詰め込みすぎず、「働き方改革」や「DX」のようなビジネスパーソンなら気になるワードでキャッチコピーを構成しました。また、多くの方が話を聞いてみたいと思える登壇者をキャスティングできたので、顔写真も極力大きく配置しています。
そのうえで、イベントの開催日や、参加無料であることは、広告見出しに記載し、説明文では、広告バナーで語りきれないイベント詳細について記載しています。また、小さなテクニックではありますが、ハッシュタグをいくつか設定し、ハッシュタグで検索したユーザーへの訴求も狙っています。結果的にこのクリエイティブは、クリック率0.53%、CV率14.99%、参加申し込みの単価6,978円と、数字上でも良い結果を残しました。
Facebook広告はワンコインで小さく始められる
Facebook広告は、オンラインイベントの申し込みのようなコンバージョンを狙う、いわゆるリード獲得型のWeb広告としては「弱い」と思っている方が多いかもしれません。しかし、先述のオンラインカンファレンスでは申込者数が最も多い流入経路でした。加えて、100円でも出稿できる集客施策ですので、「まずやってみる」というスモールスタートの選択肢もあるのではないでしょうか。
もし「Facebook広告にどうしたら出稿できるのかわからない」「自分たちで広告クリエイティブをつくり込む自信がない」など、自社でFacebook広告などの集客施策に取り組みづらい場合は、ぜひコムライブにご相談ください。打ち合わせやアドバイスをするだけなら、無償で対応いたしますし、有償になりますがWeb広告のプランニングから広告運用代行まで、オンラインイベント集客の全般を支援しています。