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メタバースのプラットフォームを分かりやすく解説します

Nagatacho GRiD, B1F SPACE 0

2022年は「メタバース元年」と呼ばれるほど、メタバースの開発・投資が盛り上がっています。

ただ、メタバースという単語を耳にすることが多くても、実際どのような利用方法・プラットフォームがあるかはイメージしづらいことも。メタバースを理解するには、ブロックチェーン技術が関係してくるので、話がややこしくなりがちです。

そこで、ブロックチェーンエンジニアである筆者が、ブロックチェーンの話も踏まえつつ、メタバースについて分かりやすく解説します。

また、メタバースの利用方法について具体的にイメージできるように、2022年に注目されているプラットフォームを7つ紹介します。

筆者プロフィール

「篠崎穣」
ブロックチェーンエンジニアとしてGaiaxの開発部でインターン。Solidityを用いてDappsの開発を行う。現在は寄付型NFTサービス「Ribbo」の開発者。

目次
メタバースとは何か
メタバースが注目される理由
  • 仮想通貨(暗号通貨)が利用できる
  • NFTを売買できる
  • リアルなコミュニケーションができる
プラットフォームとしての3つの方向性
  • 生活圏としてのプラットフォーム
  • 商業・娯楽としてのプラットフォーム
  • 仕事に関する場としてのプラットフォーム
【最新事例】メタバースのプラットフォーム7選
  • Decentraland(ディセントラランド)
  • Cryptovoxels(クリプトボクセル)
  • cluster(クラスター)
  • Synamon(シナモン)
  • フォートナイト
  • Horizon Workrooms
  • ReVers3:x(リバースクロス)
メタバースの活用が期待される分野
  • ゲーム
  • Eコマース
  • コワーキングスペース
  • イベント配信

メタバースとは何か

そもそもメタバースについて解説する上で、Matthew Ballがメタバースの定義について書いた記事が参考になります。

上記の記事では、以下の要素を満たすものをメタバースと定義しています。

・永続的である

・現実世界と同様、全員がリアルタイムで動く

・誰でも特定のイベントに参加できる

・個人や企業が経済活動を行える

・デジタル・物理的どちらにも及ぶ体験

・他のプラットフォームとも接続性のあるデジタルデータ

・個人や企業によって、とても多くのコンテンツや経験が作られる

堅苦しい表現が多いですが、要するに「現実世界に限りなく似た仮想空間」と考えていただければ分かりやすいでしょう。

ただ、上記の要素はあくまで一例であり、メタバースの定義は曖昧であることが多いです。

メタバースについて詳しく知りたい方は「メタバースとは?ブロックチェーンエンジニアがわかりやすく解説」の記事が参考になります。

メタバースが注目される理由

前の章でお伝えしたとおり、今後メタバースは現実世界のような性質を強く持つと考えられています。

ただ、「じゃあ具体的に何ができるの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。そこで、この章で、具体的にメタバースでできることを解説します。

stop仮想通貨(暗号通貨)が利用できる

従来の仮想空間では、異なる仮想空間同士で使える共通の通貨はありませんでした。そのため、ある仮想空間内で価値のあるアイテムをゲットしたとしても、そのアイテムの価値はその仮想空間の中に限られていました。

一方、メタバース内では、ビットコインやイーサリアムを使って決済ができます。そのため、あるメタバースで価値を持つアイテムが、メタバース外でもビットコインなどの仮想通貨を利用して、取引できます。

また、メタバース内では仮想通貨が利用できるため、異なるメタバースを利用する時でも決済に必要な仮想通貨は同じです。

そのため、どのメタバースのアイテムでも、現実世界と同じように同じ通貨で購入できます。

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stopNFTを売買できる

先ほどお伝えしたように、メタバース内では仮想通貨があれば売買ができます。

では具体的に何を売買するのでしょうか?

結論からいうと、主にメタバース内で売買するのはNFTです。NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、「非代替性トークン」という意味です。

簡単に言い換えると、「非代替性」は「唯一無二」、「トークン」は「ブロックチェーン上で発行した暗号資産」となります。つまり、NFTとは「替えが効かない暗号資産」です。

メタバースに話を戻すと、例えば、現在メタバース上の土地をNFT化して売買が行われています。その他には、メタバース空間内でアーティストが作った作品(NFT)を展示していることも。

このように、NFT化されたものをメタバース内で売買することができます。

stopリアルなコミュニケーションができる

メタバースでは、アバターを用いてメタバース内を移動します。

メタバースにもよりますが、アバターが自分自身とそっくりなサービスもあったりします。また、アバターを利用しながら会話ができるため、リアルなコミュニケーションができます。

特に、会議用に用意されているメタバースサービスでは、現実世界にいるかのようにメタバース空間上で会議ができます。

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プラットフォームとしての3つの方向性

ここまで、メタバースとは何か、メタバースでできることは何かについて解説してきました。

では、今度はメタバースの使われ方について見ていきましょう。実は、2022年段階では、メタバースのプラットフォームとしての使われ方は、以下の3通りあると感じています。

・生活全部を対象としたプラットフォーム

・商業・娯楽用のプラットフォーム

・仕事のためのプラットフォーム

1つずつ特徴を説明します。

stop生活圏としてのプラットフォーム

まず、昔から言われているのが、生活圏が仮想空間に移行するというものです。日常生活から仕事を行う場、遊ぶ場が仮想空間に取って代わるという考えです。

そのプラットフォームとしてメタバース空間が注目を集めています。ただ、2022年時点では、生活圏全てをメタバース上に置き換えるというよりは、一部の活動を仮想空間に置き換えるという流れが強いです。

stop商業・娯楽としてのプラットフォーム

生活の一部を仮想空間に置き換える時に話題にあがるのが、商業・娯楽です。

例えば、音楽ライブをメタバース上で行う事例や、メタバース×ゲームといった事例が増えてきました。

その他にも、食品業界やアパレル業界がメタバースを利用するケースもあります。

stop仕事に関する場としてのプラットフォーム

そして、最近話題となっている利用方法が、仕事場のプラットフォームとして利用される方法です。

次章の事例で紹介しますが、Horizon Workroomsというサービスがメタバース上で会議を行えるということで話題になりました。

実際にHorizon Workroomsで会議を行ったユーザーから「使いやすい」という声もあり、メタバースが仕事で使われる日は遠くないと感じます。

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【最新事例】メタバースのプラットフォーム7選

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では、具体的に注目を集めているメタバースのプラットフォームを見ていきましょう。

今回7つの最新事例をご紹介しますが、あらかじめ7つのプラットフォームを分類すると以下のようになります。

生活圏用

プラットフォーム

Decentraland・Cryptovoxels
娯楽用

プラットフォーム

cluster・フォートナイト・ReVers3:x
仕事用

プラットフォーム

Synamon・Horizon Workrooms

それぞれの特徴を以下で確認していきましょう。

stopDecentraland(ディセントラランド)

https://decentraland.org/

「ディセントラランド」は2015年から開発されているメタバースプラットフォームです。ディセントラランドは約90,000区画のLAND(ランド)と呼ばれる要素で構築されています。そして、このLANDはユーザーが売買でき、現実世界の不動産のように損益が出ます。また、ユーザーは土地を購入する他に、建物を作り、そこで収益を得ることもできます。

stopCryptovoxels(クリプトボクセル)

https://www.cryptovoxels.com/

「クリプトボクセル」もディセントラランド同様、メタバース内の土地をNFTとして売買でき、ユーザーが建物を作れるプラットフォームです。また、クリプトボクセル内で、ユーザーが所持しているNFTを展示してそれを販売することもできます。現実世界だと街中で広告がたくさんありますが、クリプトボクセルだとその広告がNFTの展示に置き換わっています。

stopcluster(クラスター)

https://cluster.mu/

「クラスター」は、ディセントラランドやクリプトボクセルのように、ユーザーが建物や風景を作ることはできません。建物や空間を作るプラットフォームというより、プラットフォーム内で音楽イベントを楽しんだり、他のアバターと交流する要素が強いです。最近では、鬼滅の刃のイベントを「バーチャル渋谷」という仮想空間で行い話題となりました。

stopSynamon(シナモン)

Home

「シナモン」は「メタバース総合型プラットフォーム」と言われています。2022年の8月から利用できる予定ですが、シナモンは企業がメタバース空間を作るのを支援するサービスです。予定では以下の3パターンの空間を提供するとのことです。・最大100人がスマホやPCから同時に接続可能なイベント会場に適した空間・30名程度が同時アクセスできるショールームやギャラリーに適した空間・10名程度の少人数がVRデバイスでアクセスし、ショッピングなどのリッチな体験を提供できる空間

stopフォートナイト

https://www.epicgames.com/fortnite/ja/home

「フォートナイト」はEpic Games社が展開するオンラインFPSゲームです。フォートナイトは数億人がプレイする人気オンラインゲームではあるものの、厳密にはメタバースのプラットフォームではありません。

ただし、大人数が同じワールドでプレイしたり、コミュニケーションするという要素が元からメタバースの概念に近かったこと、そして、数年前からメタバースの戦略を打ち出したことによって、フォートナイトのメタバース化が現実味を帯びています。

stopHorizon Workrooms(ホライゾン ワークルームズ)

https://www.oculus.com/workrooms/?locale=ja_JP

「ホライゾン ワークルームズ」は、Meta社が開発をしている仕事場としてのプラットフォームです。

メタバース上に作られた会議室で、複数の同僚と話せるのはもちろん、ホワイトボードに文字を書いたり、画面共有しながら会議をしたり、さらにはパソコンを仮想空間上に持ち込むこともできます。

ホライゾン ワークルームズを利用するには、専用のVRゴーグルが必要ですが、実際に利用したユーザーからは「使いやすい」という声もあがっています。

stopReVers3:x(リバースクロス)

https://revers3x.net/

「リバースクロス」は、ソニー・ミュージックレーベルズが手がけるバーチャル音楽ライブサービスです。アーティストは現実世界のスタジオで撮影を行い、その様子に演出をつけてバーチャル空間上で配信するというサービスです。このサービスも厳密に定義されたメタバース空間というよりは、仮想空間サービスという分類です。ただ、ユーザーは現実世界のライブでは体感できない演出を体験できるので、没入感や非日常感を味わえます。

不動産業界のウェビナーをプロに任せる

最後にメタバースの活用が今後特に期待されている分野について解説します。

stopゲーム

メタバースで投資額が大きい分野は、ゲーム分野です。先ほど紹介したフォートナイトを運営するEpic GamesはSonyなどの会社から、約1200億円の資金調達を受けています。

また、NFTを利用してゲーム系のメタバース内で稼ぐこともできるようになってきました。その背景もあり、ゲーム分野でのメタバース化は期待されています。

stopEコマース

ECの分野でもメタバースの活用が期待されています。

最近では、三越伊勢丹がメタバース上に店舗を再現し、店舗内で気になる商品があればオンラインストアから購入できる仕組みを導入しました。

その他にも、BEAMSがメタバース上に店舗を出展し、リアル商品や3Dモデル商品を販売していました。

メタバースが新たな消費の場所になるのではと期待されています。

stopコワーキングスペース

先ほど紹介した「ホライゾン ワークルームズ」のように、職場がメタバース上に作られる例もあります。

特に2020年のコロナ禍を契機に、リモートワークが普及したため、リモートをしつつリアルなコミュニケーションを担保するために、メタバースは注目されています。

stopイベント配信

最近では、音楽ライブをはじめとして、企業向けのセミナーなどのイベント配信にメタバース空間が使われる例が出てきました。

メタバース上で行うイベントなら、参加者は居場所を気にせず参加できる上に、ZOOMなどのツールよりも没入感があるため、満足度も高まるでしょう。

また、アバターで参加できるため参加する側も気楽に参加できるメリットがあります。

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