最近メタバースという言葉がニュースやテレビでも使われるようになりました。
「なんとなくメタバースの概念はわかっているけど、詳細はよくわからない」
「非日常すぎて、メタバースは本当に普及するの?」こう思っている方も多いでしょう。
そこで、ブロックチェーンエンジニアである筆者が、メタバースとは何かわかりやすく解説します!記事を読めば、メタバースの定義から、活用方法・事例まで理解できます。
では、以下で詳細を見ていきましょう。
「篠崎穣」
ブロックチェーンエンジニアとしてGaiaxの開発部でインターン。Solidityを用いてDappsの開発を行う。現在は寄付型NFTサービス「Ribbo」の開発者。
- 「メタバース」の定義
- 2000年~2022年までの歴史
- なぜ今メタバースが盛り上がっているのか
- リアルなコミュニケーション
- 商業活動
- エンターテイメントイベント
- ゲーム関係
- ファッション関係
- 食品関係
- 教育関係
- 仕事関係
- メリット
- デメリット
結局メタバースとは何か?
最初にざっくりとメタバースの意味をお伝えすると、メタバースとは「現実世界のような感覚を味わえる仮想空間」です。ただ、上記の説明だけだとイメージが掴みにくいと思うので、もう少し詳しい説明をしていきます。
stop「メタバース」の定義
実はMetaverseというのは造語で「Meta」+「Universe」を合わせた言葉です。「Meta」は「超」や「高次」を表します。直訳すると「超宇宙」という意味になりますが、実際には「現実とは別の世界」という定義で使われていることが多いです。
つまり、メタバースとは仮想空間を指していることがほとんどです。「デジモン」や「サマーウォーズ」といったアニメを思い浮かべていただくと、仮想空間とはどのようなものかイメージしやすいでしょう。
stop2000年~2022年までの歴史
2022年はメタバース元年とも呼ばれていますが、実はインターネット黎明期の2000年代から仮想空間サービスは開発されていました。
2002年にメタバース元祖サービスと呼ばれる「Second Life」が発表されました。「Second Life」ではユーザーが空間を作成・デザインすることができ、ユーザーが仮想空間を作り上げるというものでした。
2012年には、「Oculus Rift」というVRが登場したことで、メタバースや仮想空間の期待は高まっていき、2014年に旧Facebook(現Meta社)が「Oculus Rift」を買収したことでVRブームはより加速していきました。
そして、2008年にサトシ・ナカモトを名乗る人物によって作られたBitcoinが普及したことで、仮想空間上での決済が容易になりました。
こうしてメタバースが実現性を帯びてきました。
stopなぜ今メタバースが盛り上がっているのか
ブロックチェーンエンジニアの筆者が考えるに、メタバースが2022年現在盛り上がっている理由は3つあると思っています。
・VRの進化
・ビットコイン(仮想通貨)の普及
・ブロックチェーン技術
まず、大きな理由として挙げられるのが、VRの進化です。Meta社をはじめとしてVR・ARゴーグルを積極的に開発する大企業が増えたことにより、メタバースにアクセスするためのデバイスが安く手に入るようになりました。
また、ビットコイン・イーサリアムのような仮想通貨(暗号通貨)が普及したことで、どのメタバースでも共通して利用できる通貨ができました。
そして、メタバース空間でのやり取りをブロックチェーンを通じて行うことで、デジタル上の資産が現実世界でも価値を持ちます。
この3つの理由から、メタバースは現実世界と同じ価値のある空間として注目されていると考えています。
メタバースでできること
では、具体的にメタバースでは何ができるのでしょうか?
以下で詳しく解説します。
stopリアルなコミュニケーション
まずメタバースでできることは、リアルなコミュニケーションです。
多くのメタバースでは、アバターを用いて他人と会話を行います。その際にVRゴーグルをつけることで、ZOOMなどのミーティングサービスよりも没入感を感じられます。
ZOOMだとパソコンに向かって話しているように感じてしまいますが、メタバースだとアバターに向かって話すため、現実世界のような感覚で会話ができます。
stop商業活動
2021年から2022年現在までで目立つメタバースの活用方法が、商業活動の場としてのメタバースです。
次章の活用事例でも詳しく解説しますが、メタバース上で食品や服を売買する例もあります。
メタバース上で売買することで、販売側は現実世界で接客するような雰囲気を残しつつ、購入側はECサイトよりも詳細な情報を入手できるというメリットがあります。
stopエンターテイメントイベント
活用事例7つを紹介
この章では、現在メタバースがどのような用途で利用されているかを、活用事例を参考にしながら紹介していきます。
stopゲーム関係
メタバースにおいて、ゲーム関係は特に注目されている分野です。というのも、ゲーム内の情報がブロックチェーンに保存されていることで、ゲーム内のアイテムがゲーム外でも価値を持つためです。
例えば、Decentraland(ディセントラランド)は、ゲーム内の土地を売買したり、他のユーザーが作った空間を楽しめるゲームです。ブロックチェーン上に土地の情報が保存されているため、現実世界の不動産のように土地が売買されています。
その他の事例だと、Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)というゲームがあります。クリプトボクセルズもユーザーが空間をデザインできます。また、面白いのが、クリプトボクセルズ内では、NFTを展示することができ、ユーザーがNFTを購入可能です。
stopファッション関係
ファッション関係でもメタバースの活用が進んでいます。
有名な事例でいうと、BEAMSがバーチャル空間に店舗を作り、服を購入できるように活用した事例があります。
2022年の事例だと、Decentraland上で行われた「Metaverse Fashion Week(メタバース ファッションウィーク)」にドルチェ&ガッバーナ、トミー ヒルフィガーなど大手ブランドが参加し話題となりました。
stop食品関係
食品関係では、食品のデータを3Dにしてメタバース上で展示する試みがされています。
2021年12月には、大丸松坂屋百貨店が仮想空間に「バーチャル大丸・松坂屋」を期間限定で開催しました。
stop教育関係
教育の分野でもメタバースの活用は期待が高まっています。
現在だと、英会話メタバース上で行える「fondi」というサービスが注目を浴びています。fondiでは、アバターを用いて会話をするため、対面で行う英会話と違って楽に話せるというメリットがあります。
また、メタバース上であれば現実世界ほど学習に制限がかからないため、教育の格差をなくせるという期待もあります。
stop仕事関係
近年リモートワークが進み、ZOOMやGoogle Meetでミーティングを行うことが多くなりました。
実はメタバース上でコワーキングスペースを作る動きも盛り上がっています。具体的には、Meta社が展開する「Horizon Workrooms」があります。
このサービスでは、仮想空間上でアバターを用いたミーティングを行えます。画面共有をメタバース内で行える他にも、仮想空間内にMacBookを持ち込むことも可能です。
メタバースのメリット・デメリット
ここまででお伝えしてきたように、メタバースには多くのメリットがあります。しかし一方でデメリットもあります。
この章では、メタバースのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。
stopメリット
メタバースのメリットは以下の3つです。
・仮想空間上ならではの体験ができる
・場所の制限がない
・コストカットが可能
やはり、仮想空間独自の体験ができるのはメタバースのメリットでしょう。音楽ライブを例にとっても、メタバース上ならではの演出もでき、非日常性が味わえます。
次に、場所の制限がないというメリットがあります。参加者はどこからでも参加できるため、現実世界のイベントと異なり自分の今いる場所を選びません。
そして、何かのイベントを行う場合は、場所代のコストカットを行えるメリットがあります。例えば、BEAMSの例でいうと、バーチャル上に店舗を作るコストは実店舗を作るよりも安くできるため、短期的なイベントであっても、収益が見込めます。
stopデメリット
一方で、メタバースのデメリットは以下の3つです。
・セキュリティの問題
・VRゴーグルがないと没入感がない
・まだ敷居が高い
インターネットでもセキュリティやプライバシーの問題がニュースになりますが、メタバース上でもセキュリティは重要な課題です。
例えば、アバターをなりすまされてしまうと他人からは本当にあなたか判断がしづらかったり、会話を盗聴される可能性もあります。
その他のデメリットでは、VRゴーグルがないとそもそもメタバース世界に没入できない点があります。
メタバースを楽しむにはVRゴーグルや、その他に揃えないといけないものがあることも。そのため、初めての方には敷居が高いといった声もあります。
今後の動向
2022年はメタバース元年と呼ばれているように、まだまだメタバースの成長はこれからです。そのため、大きくメタバースの定義や利用方法も変わっていくでしょう。
ただ、日常生活がより楽になるようなサービスが今後も出てくると予想されます。
当記事では、メタバースとはどのようなものか紹介してきましたが、興味のあるサービスがあれば、ぜひ使ってみて下さい!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。